ORT (Oxford Reading Tree『オックスフォード・リーディング・ツリー』) で英語多読開始します!

2020年4月より、塾生多読希望者でORTを読破していきます。
中学生は全員に全巻を読んでもらいます。

このORTは、英会話教室等には行かず、お母様が子供と一緒に家で英語を学ぶ『おうち英語』の教材として絶大な人気を誇っているテキストです。私がこのテキストに初めて出会ったのが、今から30年近くも前のことですから、とても歴史のある教材といえると思います。

いわゆる英会話のテキストではなく、イギリスでは約80パーセントの小学校が採用している「国語の教科書」です。

下のテキストは、30年前の表紙。その下が現在のORT。
ページ左上にある、Oxford Reading Tree のロゴも可愛らしくなっています。

中身を比較してみましょう。こちらが現在のORT。

こちらは、30年前のORT。

キャラクターの絵のタッチも随分違いますね。現在の方が、より優しい感じがします。

この本を世界中の子供たちに書いているのは、下のお二人。
著者の Roderick Hunt(中央)さんと、イラストレーターの Alex Brychta(左) さん。

 レベル9まで理解できれば、高校中級程度の英語力! 

小学生は、レベル1からレベル9までの216冊読破に挑戦してもらいます。総語数でいうと72,663語です。中学生は、レベル13までを加えた合計234冊。総語数は118,961語となります。

ただ、受験生は受験用の英語教材もこなさなくてはいけないので、小学生と同じレベル9までを読み、受験教材を利用して総語数で10万語を突破していただきます。

ORTのレベル9は、高校中級程度のレベルで、英検で言えば準2級レベルになります。

「私は英検3級を合格しているから、レベル8から読みたい!」

というのは禁止です。参加者全員がレベル1の初めから、1冊ずつ読破していただきます。

“Slow and steady wins the race!” です。

レベル11、12、13となると大学入試レベルまでになっていきます。

お遊びが中心の英会話教室に通うなら、英語の本を読ませましょう!

読書です!音読です!これで、英語は大丈夫です。

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 「おうち英語」は、意外とハードルが高い 

おうち英語は、お遊び英語教室と比べれば格段に英語力がつく方法だと思いますが、一つ条件があります。

それは、ある程度お母様が英語ができる、ということ。特に大事なのが、お子様が間違って発音した単語や文章を正しく矯正できる発音力です。英語の意味は「音」にありますので、ただ絵本を渡して、『はい!読んでみなさい』というわけにはいかないのです。

ですから、自分は英語が苦手だったので子供には英語が得意になってほしい、という軽い気持ちで取り組むと失敗します。

また、お子様が自分一人で英語の本を声に出して読めるようになるまでは、一緒につきっきりになっていなければいけません。CDなどの音声素材(CDパックは高い!)を使い、流しっぱなしにする方法もありますが、それでも発音等のチェックはどうしても必要になってきます。

 ORT導入のきっかけ 

ORT導入を考え始めたきっかけは、中学生の英語力不足です。

これは中学生が悪いのでもなく、学校の先生に力がないわけでもありません。単純に英語に触れる時間と量が少ないだけです。多くの英語に接している子は、自然と英語も得意になります。

次に見ていただくのは、各国の英語教科書に出てくる総語数に関する研究報告書からの抜粋です。

(「英語初級者向けコーパスデータとしての教科書テキストの適正に関する研究」より引用)

教科書だけですと、たったのこれだけの語数にしか触れずに高校や大学の受験を迎えることになります。

中学では約6,000語。プリントや参考書を合わせても8,000語といったところでしょう。これではあまりにも少なすぎて、英語を英語のまま理解できるレベルには絶対になれません。それも3年もかけてこの語数です。

2020年度都立高校共通問題の英語をみてみると、長文総語数は1,810語でした。トップ校ともなると、長文では総語数2,500語を超えてきます。教科書1冊分に相当します。この量の英文を読み、問題に答えていかなくてはなりません。いちいち日本語に訳していかないと読めないようでは、到底太刀打ちできないでしょう。

ORTを活用して10万語を突破できれば、高校入試の英語問題なんてスラスラと読めるようになります。英文が完全に理解できれば、問題も難なく解けます。そして、何より生涯にわたる英語の基礎力・土台づくりに必ずなります。

ちなみに、おとなり中国では、中学の3年間で70,000語を超える英文に触れます。日本の10倍以上の英文です。基礎の段階で多くの英文を読ませることで英語基礎力を確実なものにしていくのが狙いだと思います。

現在、世界中の様々な研究論文の本数が圧倒的に多いのが、中国の方々の研究者たちです。あと何年もすれば、ノーベル賞も中国から続々と出てくるのではないでしょうか。研究論文はご存じの通り、基本的に英語で発表しています。

 楽しみながら、英語でトップ! 

難しいことは置いておいて、とにかく英語を読むことを楽しんでくれればいいと思っています。自然と身についてくるはずです。

10万語を読了した子たちには、更に英語の本をどんどんと用意していきます。あるところまでくれば、自分で選んだ英語の本を読んでみたくなってくるでしょう。原書で読む世界のすばらしさを是非体験してもらいたいです。

英語多読で受験に挑戦していく内容は以下からどうぞ

 変な英語学習だから、変な解答になる  高校入試や大学受験の英語というと、未だに訳読中心の学習が多いのが現状です。実際あまり面...
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