新型コロナウィルスで騒がれている中、昨日都立高校の合格発表がありました。
豊島鳳雛塾では、この度の高校受験生は一人のみ。
すでに滑り止めの私立高校は受かっていましたが、
都立高校が第一志望でした。
毎月行っている学力テストの結果は、
昨年4月の時点では、E判定(A-B-C-D-Eの5段階評価)。
その後も
E判定-「再検討!!!」の3文字を何度も叩きつけられました。
「どうぞ、現実を知って志望校の再検討をなさってくださいね」
ということです。
偏差値も5教科合計で「40」・・・。
英語に至っては、「37」。
大丈夫??? じゃないよな~。
勉強している姿を見ていると、
集中力を欠く時期が幾度もありました。
しかし、夏休みは、ほとんど毎日塾に通いながら、
都立の過去問にも挑戦し始めました。
それでも成績は、思ったようには伸びません。
お母様も夏休みが過ぎた当たりには、相当ご心配されて
志望校の変更を彼に促したりもしていました。
頭のいい大学生のお兄さんも、可愛い弟のために
手取り足取り、家で勉強を教えてくださったようです。
しかし、彼は「超」が3つも4つもつくほどの
マイペース人間。
更に、「超あまのじゃく」。
外野がああしろ、こうしろと言えば言うほど、
そこから離れていくのでした。
そして、かたくなに第一志望校を変えることもありませんでした。
塾でも、この教材をいつまでにとか、
こういうやり方で、こんな風に勉強しろとか、
ということは
彼の場合は一切しないようにしました。
何せ言えば言うほど、そこから離れて
どこかへ遠くへ行ってしまうのですから。
もう一つ、何も言わないほうが、
彼にとっては良いと思った
最大の決め手は、
彼自身が、いろいろと試行錯誤している姿を
見ていたからです。
何やら自分自身で効率よく暗記できる方法を考えたり、
タイマーを使って時間管理をしたり、
いつまでも寝ていたり、
突然、スマホを塾の冷蔵庫に入れたり???、と
全部何でも自分が思いついたことを次から次へと
試しては実践(?)し続けていたのです。
その中には、きっとうまくいかなかったことも
あったと思います。
しかし、こうした「自分自身で考え行動する」ことが
一番大事で、たとえ失敗したとしても、そこからはいくつもの
「学び」がありますし、彼自身もそれを感じていたはずなのです。
年の瀬あたりになると、ある教科がグングンと伸び始めました。
国語です。
全国の公立高校の過去問を1県1県と
解いていました。
多くの作品に触れていきますので、
自然と読解力がついてきたのだと思います。
更に過去問を解いていくうちに、各教科で
自分が何ができて、何ができないのかが
見えてきたようです。
苦手な分野と、これは大丈夫だな、というのが
区別できるようになってきた様子でした。
国語の成績上昇を皮切りに、他の教科にも徐々にですが、
波及してきました。
しかし、まだ志望校合格レベルまでには届かない・・・(*´Д`)
第一志望校は、偏差値55前後の高校なので、
決して難しいレベルではないのですが、
彼自身のスタート偏差値が「40!」
英語は「37」ですから、「合格は雲の上」とはいかないまでも
地元「サンシャイン60の上」といったところでしょう。
飛んでも届きません。
サンシャイン60を自力で登りきる方法は
たった一つ。
一段一段、階段を自分の足で登ることです。
1問、1問。1ページ、1ページ。1単元、1単元・・・と
続けるしかないのです。
そして、彼はこれをやってのけたのです。
私はといえば、な~んにもしませんでした。
やったのは全部彼自身で、彼自身が出した結果です。
3月2日 午前9時34分。お母様よりメールがありました。
「合格しました。まずは報告でした。本日塾にいきます。本当にありがとうございます!」
彼はいま、池袋ジュンク堂に行って自分で買ってきた
『大学受験の参考書』をひとりで勉強しています(まだ中3)。
きっとこの期間にステキな何かをつかんだのだと思います。
ちなみに試験2日後、国語テストの自己採点では、
90点近くを叩き出していました。