高校入試を終えて「危険に立ち向かう勇気が道を拓く」

中学生の高校入試も終わり、今は中学生活の終盤を迎え、新たに高校生としての心の準備だけでなく勉学等の計画を立てている子もいると思います。

塾生(途中でやめた子も含め)は、全員合格の報告を受けました。
女の子たちは都立推薦、私立単願での合格が目立ちました。男の子たちは都立推薦ではだめで、一般入試に臨んだので先日やっと結果が出てほっとしたところです。

さて、今回の受験で感じたことがあったので書いておこうと思います。

通常のセオリーで考えれば、公立高校を第一志望としている場合、危険は冒さず少しレベルを下げて確実に合格できるところを受験すると思います。私立の場合は単願ですね。今回の受験生も多くがこのようにして、最終受験校を決めたようです。

しかし、一人の塾生K君だけは公立高校が第一志望だったにもかかわらず、少し危険が伴うことを承知でレベルを下げることなく受験をしました。

受験学習にエンジンがかかるのが少し遅いな、と感じていたので冬期講習にて少し荒治療をして基礎力の徹底を図ってみました。1日約70枚のプリントをやり遂げ(毎回8時間 合計700枚越え)、少し自信もついてきたようでしたので、私自身も彼のチャレンジを後押ししてきました。

直前での実践模試プリントでは、毎回各教科8割近くを取れるようになり、これならいけるという手応えも感じていたはずです。

しかし、当日の試験では都立の問題の傾向が変わったということもあり、自己採点では自分が思っていた点数には届きませんでした。同じ高校を受けた周りの受験生も同様に難しく感じたはずですので、最後の望みをかけましたが結果は不合格で、私立に進学することになりました。

不合格の結果を見て、親御さんと共に色々と考えたと思います。レベルを下げていれば、都立に受かっていたかもしれない・・・と。不合格という目の前の結果だけを見れば、だれもがこう思うでしょう。

でも、私は彼は勝ったと思っています。

先日、アメリカのNASAが火星に無人探査車の着陸に成功させました。新聞記事を引用しましたので、以下を読んでみてください。

 日本時間の先月19日早朝、NASA(米航空宇宙局)の無人探査車「パーシビアランス」が、火星への着陸に成功した。昨年7月に打ち上げられたこの探査車は、今後約2年にわたって岩石などを採取し、生物の痕跡などを探る。地球外に生命体は存在するのか――大いなる宇宙の謎の解明へ、ロマンに満ちた探査が始まる。

 このミッションの最大の難関は、着陸の直前に待ち構えていた。探査車は火星の大気圏に猛スピードで突入した後、パラシュートを開いて急減速する。着陸までの時間は「恐怖の7分間」と呼ばれ、これまでの成功率は4割にとどまっていた。この課題を克服するため、今回のパラシュートには鉄の約8倍という強度のロープを使用。最先端の技術の結集によって、着陸は成し遂げられた。

 技術が困難の壁を破った。だが、その技術を生んだのは、いかに条件が厳しくとも、断じて成功させるという技術者たちの情熱と意志があったからこそ。不可能に思えても“やってやろう”と一歩を踏み出す勇気。ひとたび決めた目的に向かって、たゆまぬ努力と挑戦を続ける忍耐。この二つなくして、どんな人類の偉業も成し得なかった。

 「パーシビアランス」は「不屈の精神」を意味する。信念を持つ人はロマンの人生を生きられる。

3月2日付 聖教新聞「名字の言」より

続いて1980年代、ウォール・ストリートジャーナル紙上に掲載された意見広告からの引用。全米中の人々に勇気を与えたメッセージです。以前、コロンブス(光村出版)という中学の英語教科書にも掲載されたことがあります。

You’ve failed
many times,
although you may not
remember.
You fell down
the first time
you tried to walk.
You almost drowned
the first time
you tried to
swim,didn’t you?
Did you hit the
ball the first time
you swung a bat
Heavy hitters,
the ones who hit the
most home runs,
also strike
out a lot
R.H. Macy
failed seven
times before his
store in New York
caught on.
English novelist
John Creasey got
753 rejection slips
before he published
564 books.
Babe Ruth struck out
1,330 times,
but he also hit
714 home runs.
Don’t worry about
failure.
Worry about the
chances you miss
when you don’t
even try.

君はこれまでに
何度も失敗した。
きっと覚えては
いないだろうが。
はじめて
歩こうとしたとき
君は転んでしまった。
はじめて
泳ごうとしたあのとき
君はおぼれそうになった、
そうじゃなかったかい?
はじめて バットを振ったとき
君はボールを打てたかい?
強打者たち、
ホームランをいちばんよく打つ
ヒッターは、
よく三振も
するものだ。
R.H.メーシーは
7回も
失敗したあとで
ようやくニューヨークの店を
成功させた。
英国の小説家
ジョン・クリーゼは
564冊の本を
出版する前に
753通の断り状を受けとった。
ベーブ・ルースは
1,330回三振した、
だが714本のホームランも
かっとばしている。
失敗を
恐れちゃいけない。
トライもしないで
逃す
チャンスこそ
怖れたほうがいい。

K君は、第一志望の高校には不合格ではあったけれど、豊島鳳雛塾の塾生としては完璧な合格です。

なぜなら、「挑戦」を選んだから。

模試では合格圏内ギリギリで、しかも倍率も高かったので志望校ランクを下げたほうが安全でした。しかし、彼はあえて挑んだ。

逃げずに、挑戦の道を選んだ彼の将来はきっと大きく切り拓けてくるでしょう。未来の結果は現在の行動の中にあるのですから、今回の選択は将来を決定づけた挑戦であったのです。

挑戦の中にある目には見えない力は、「勇気」です。そして勇気の真後ろには「恐怖」があります。きっと後に続く塾生にも勇気を与えたと思います。「恐怖」を押しのけてチャレンジしたK君の将来の勝利は、私が約束します。

時代は益々変わっていきます。これからの若い人たちに大事なのは、様々なことに果敢に挑戦できる「強い自分を作ること」であって、決して安全な道を進むことではありません。これでは、これからの変化の時代に生き残っていくことは絶対に無理でしょう。

彼は、高校生になっても塾生として学習を続けていきたいということですので、今色々と準備を進めているところです。高校生に関しては原則継続生のみで、更にある課題をクリアしないと高校生としては受け入れないことにしています。課題を完璧にやり遂げ、模範塾生として進んでください。

受験生のみなさん、本当にお疲れさまでした。楽しい高校生活を!

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